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事務所コラム

弁護士バッジの裏の顔?

2021.09.28

吉川 賀恵

弁護士のことを扱うテレビドラマ等もあり、弁護士の記章(バッジ)を見かけたことのある方も多いと思います。他方で、その裏面にある留め具について、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。

 

弁護士の記章には3種類の留め具があり、ねじ式(ねじのように少し太めのスクリュー型のもの)、タイタック式(針のように細い留め具がついているもの)、ブローチ式(安全ピンのように、2つの穴をあけて通す形のもの)があります。日本弁護士連合会での取り扱いでは、ねじ式が標準とされており、タイタック式やブローチ式を希望する場合には、改造申請といって、型式の変更を申し出る必要があります。

 

ところで、男性用のスーツには左えり部分に細い切れ込みがあり、ボタン穴がついていることが多いです。これは、フラワーホールと呼ばれ、元々は、花を挿したりしていたようです。他方で、女性用のスーツには、この切れ込みがないことが多いと思います。

このため、女性用のスーツの場合、ねじ式の記章を通すことができず、どうしても、改造をしなくては、いけません。

 

スーツの構造に由来するとはいえ、改造申請の割合は、男性に比べ女性の方が、圧倒的に高いのが現状です。現在の日本弁護士連合会の取り扱いでは、女性に不利益が偏在しており、ジェンダー平等に反していると考えますが、皆様はどう思われるでしょうか。

 

弁護士の記章には、外側にひまわりが、中心に「秤」が描かれています。ひまわりは正義と自由を、「秤」は公平と平等を追い求めることを表しています。

平等を謳う記章の裏に、まさに裏の顔としてのジェンダー不平等があるのだとしたら、その輝きは失われてしまうことでしょう。女性弁護士が増加している現状にかんがみ、記章の取り扱いについても変更されるべき段階に来ていると考えます。

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