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事務所コラム

エセックス大学留学体験記(4)人道法

2019.06.13

吉川 賀恵

エセックス大学の法科大学院には、人権法と人道法の2つのコースがあります。私は人権法のコースに所属していますが、人道法の授業を選択することも、できます。前期は国際人道法概論、後期はPKOに関する授業をとり、人道法を学びました。

 

日本では、国際人道法という言葉自体、なじみの薄いものかもしれません。私自身、法学部、法科大学院を通じて、人道法について授業を受けた記憶は、ありません。

しかし、実際に履修をしてみると、国際人道法を学ぶことは、とても大切なことであると感じています。

 

まず、世界では、今も紛争が続いています。私たちが何気なく見るニュースも、紛争に関するものがあふれています。人道法を正しく理解することなくして、紛争を正しく分析、評価することは、できません。

 

また、日本政府は、南スーダンへ自衛隊派遣を行いました。日本では、駆けつけ警護が大きな問題となりましたが、この問題を全体的に理解するためには、南スーダンで、どのような法が適用されるかを整理する必要があります。このためにも、やはり人道法の理解が不可欠なのです。

 

紛争をしてしまえば、すべてが無法地帯だとの指摘も、あるかもしれません。しかし、そのような状況においても、守るべき最低限のルールは、存在します。長い歴史をかけて作り上げてきたこのルールを、現代において学ぶ意義は、とても大きいものと思います。

 

 

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