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事務所コラム

春のイタリア

2018.04.16

吉川 正也

4月上旬、イタリアを旅する機会を得た。

ミラノからベネチア、フィレンチェ、ローマを旅するもので、高速道路からみえるイタリアは、まだ、春浅く、ようやく農地の牧草が緑色となってきているところであった。

 

日本の桜のような赤い花を咲かせている木々もあった。赤い花は、桃の花ということである。走行路によって、遠くに山脈が見え、まだ白い雪があった。スイス国境のアルプスの山々であった。一方、南イタリアのカプリ島では、白い花が咲いていた。白い花は、アーモンドの花ということであった。

 

イタリア旅行において、ピサにある斜塔に実際に登った。ピサには、早朝フィレンチェからバスで移動し、他の観光客より早く斜塔に着いた。

大聖堂に付属する鐘楼ということであり、ガイドさんに連れられて斜めになっていることのわかる所、つまり、垂直線と斜塔の角度が明瞭になるところで、写真を撮る。なるほど、垂直な他の建物に比べ、塔が傾いていることが明確にわかる。

 

もともと、建設中に、塔が傾いていることが判明していたそうで、途中、その傾きを修正するため、傾きの角度を少なくするように、バナナが反り返るような建築を試みたものの、傾きは、修正できなかったとのことである。

 

斜塔の中へ入る。円形のらせん形階段に足を置く。足元は、何百年もの間、多数の巡礼者も登ったことから、すり減っている。しかも、その階段に足を置くと、傾いていることが、はっきりわかる。足元は、人の歩いたところが、かなりえぐれている。それでも、傾いていることが感じられ、塔が倒れてしまいそうな不安が生じる。

 

グルグルと階段を登り、何層(8層とのこと)にもなっている塔をなんとか登りきる。塔の頂上もかなり斜めになっている。

塔の上からみる街の景色は、遠くまで、見晴らしがよく、緑の農地と市街が遠くまでひろがっている。

 

日本でいえば、平安時代頃に建てはじめ、南北朝時代に完成した大理石による堅固な建物ということである。

ローマの遺跡が現代に残り、その階段を、私が歩んだという実感は、今も私に残り続けている。

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