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事務所コラム

えりも岬にて

2019.09.05

吉川 正也

えりも岬は、行こうと思っても、なかなか行けるところではありません。北海道に長くいても、これまで、訪れることはできませんでした。

お盆休みを利用し、太平洋側の道路を、苫小牧、新冠(にいかっぷ)、様似を通り、浦河まで自動車で向かいました。

 

これまで通過してきた日高町、新冠町、静内町のように、浦河でも牧場が多く、なだらかな起伏のある土地を利用し、牧草地が広がっています。牧柵で区切られた広い区画に、少しの馬がのんびりと牧草を食べています。

 

右手に見える太平洋は、夏の暑い盛りなので、本来なら青海原で、浜辺には海水浴客がいてもおかしくありません。ところが、お盆休みがはじまるときに、台風が近づいていて、大きな灰色の波が、浜辺に押し寄せています。海には一人の海水浴客もいません。

 

更に、海岸沿いの通りを、えりも町から、えりも岬に向かっています。すると、津波を警戒する、海抜何メートルという表示が目につきはじめました。いよいよ、岬も近くなりました。

 

北海道のえりも岬は、日高山脈が連なっているところから、太平洋に向かって低くなり、そのまま海に沈んでいく、そんなところでした。岬の前に大きな断崖がありました。崖下には、太平洋の大きな波が押し寄せ、下の方で、白く泡立っています。

えりも岬に立って、太平洋をみると、恐竜の背のように岩が海から突き出しています。そして、遠く向こうまで続いているようです。

 

更に、断崖わきの海に突き出た岬の先端に向かいます。細い道を通って、太平洋側に突き出た岬の先の方まで行き、更に遠く広がる太平洋を眺めました。その遠い遠い先には、ハワイ諸島があるように思えました。

 

再び、えりも岬の先端から、元の断崖のところに戻りましたが、そのときは、まだ、空は、晴れていました。ところが、岬に向かって左側から雲がわき出てきて、天候が変わりました。晴れていた空も、雲によって日差しが弱くなり、霧の流れが見えるようになりました。遠くまで見えていた海も、見えなくなってきました。

 

 えりも岬は、初めて訪れた者に対し、ほんの少しの間、その姿を見せてくれたのでした。

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