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事務所コラム

再審決定

2019.05.30

吉川 正也

再審というと、「開かずの門」と思われるでしょう。つまり、再審を求めて、門をたたいても、門が開かないということです。

 

刑事でも、民事でも、再審制度は、存在しています。しかし、実際に、再審が開始されることは、全くないと言ってもよいでしょう。弁護士になっても、再審事件など、一度も取り扱ったことがないのが、一般的でしょう。

 

有名な刑事事件の再審事件で、白鳥事件があります。これが今でも、刑事再審事件の判例として、ずっと生きています。それだけ、多くの事例がないということもできます。

 

再審事件ですから、判決が確定していることが前提です。それを、もう一度、裁判をやり直すことを、裁判所が認める。再審が、ほとんど認められないのは、裁判制度を安定させるため、裁判所は、一度判決したら、それを改めないのが、原則だからです。

 

ところが、民事事件ですが、再審の決定を得ることが、できました。

 

この件は、裁判所ですでに判決手続を行い、当方申立人が、その裁判に参加できないまま、裁判が確定してしまったのです。そのうえ、この判決で、当方申立人の不動産に対して、相手方が差し押さえをしたのです。

 

当方の申立人が、住所を明らかにしないことを理由に、相手方は、公示送達の手続をとりました。しかし、この公示送達の内容が、一方的で、ひどすぎたのです。相手方が行った訴訟手続は、不公正なやり方だったのです。

それで、再審を求めたところ、裁判所は、手続の不公正さを理由に、もう一度、この裁判をやり直すこと、つまり再審を認めてくれたのです。

 

裁判所は、一市民の訴えでも、裁判所からみて、判決を取得する相手方のやり方が、余りに不公正なので、これを見逃すことはできないとしたのです。

 

当方の依頼者にとって、裁判所は、救いの神でした。改めて、裁判所は、信頼できるところだと、認識したと思われます。

これからは、改めて行われる再審の裁判を、しっかり行っていきたいと思っています。

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