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事務所コラム

天空の城

2017.11.09

吉川 正也

雲海がたなびくところに、高山の山の頂のみがみえる光景は、大雪山で知った。そこは、一面、雲の海であり、その下にどのような山々か、あるいは平野があるかは、全くわからなかった。


11月4日と5日、信州飯田へ帰った。

子どものころ、ツツジの花が山一杯に広がっている場所に、温泉の湧きでる宿があった。

 

この宿からは、下伊那郡の南端の山々が眺望できた。

天竜川を下方にみて、遠くに南アルプスの山頂がみえる。手前には、伊那山脈の山々が屏風のように立っている。

 

近くの崖下は、飯田城跡の城下グラウンドがあり、野球場がみえる。夜には、遠くナイター施設が輝いていた。

 

翌朝、窓をあけると、外は一面の雲海であった。天竜川の向こう岸の伊那山脈でさえ、雲によって、山頂部が何もみえない。

 

そのうちに、一点が暖かい色に包まれて、日が昇ってくるようだ。遠くの南アルプスの山頂のいくつかがみえる。どれが仙丈岳なのか、赤岩岳の山頂なのかは、わからない。

 

日が昇るとともに、雲海も色を輝かし、そのうち、あれほどまでに浮かんでいた雲海も、あちこちから、下がみえるようになり、その下にある姿を現すようになった。

 

ここは、雲の中に浮かぶ温泉宿であり、飯田長姫城の端にある天に浮かぶ城であった。

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