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事務所コラム

御嶽山のふもとで

2014.10.31

吉川 正也

 長野県木曽にある御嶽山が、9月末に噴火して、大きな被害が生じました。

 長野県歌として歌われている信濃の国には、御嶽山が出てきます。信州に生まれた者には、なじみの深い山です。

 

 この噴火では、王滝村がよくニュースで出てきました。この村は、御嶽山のふもとにあり、川の水がとてもきれいなところです。確か、大滝村の役場の建設工事だったと思います。今から40年以上前になりますが、建物のコンクリートの基礎を作るアルバイトをしました。そこで働いたあと、夕方、いわなを獲りに川に入ったことがあります。浅瀬でしたが、清流で、冷たい水でした。

 

 このアルバイトでは、父と息子である私と、一緒に働く機会を得ました。息子が再び、北海道へ戻り、また、司法試験の受験勉強を続けることを、父は許してくれました。その時、父は、このまま、北海道へ行ってしまうのではないか、司法試験のようなことを続けて大丈夫かという大きな不安があったと思います。しかし、父は、これらを一切口にすることはありませんでした。

 

 御嶽山から戻ってしばらくして、私は司法試験に合格し、父も大変喜んでくれました。それから、相当の時間がたちました。

私は、今回の御嶽山の噴火の報道で、当時のことを思い出しました。とにかく、あの御嶽山のふもとの村で、試験に合格し、一日も早く社会に役立つ人間にならねばと思っていたはずです。

 

 今こうして、弁護士をやっていますが、あのときの状況や気持ちを考えれば、まだまだ、努力が足りないと思います。

 御嶽山の噴火は、ふもとのきれいな浅瀬とともに、改めて、初心を思い出させてくれたのです。

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