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グライダー
2013.08.28
吉川 正也
札幌と旭川の中間位にある滝川市にはグライダー基地がある。グライダーの管制室は、滝川駅近くのJRの車窓からよく見える。それで、いつかグライダーに乗ってみようと思っていたところ、このお盆に、グライダーに乗る機会が訪れた。
グライダーは2人乗りで、パイロットのほかは私だけ。自分の体を寝かせるようにして、2人で乗り込み、防風カバーを閉じる。
小型プロペラ機にロープで牽引され、グライダーは、石狩川の河原の滑走路を走り出す。はじめは、グライダーの翼を人が手で持ち上げて、一緒に走る。グライダーは、ほんの少し走ったところで、浮きあがった。小型プロペラ機は、まだ浮かんでいないのに、グライダーだけ浮いている。
小型プロペラ機も浮かびあがり、どんどん引っ張られていく。いまスタートしたグライダー基地が小さくなっていく。左側には、石狩川の堤防しか見えなかったのに、もう大きな野球場が4面ほどあることがわかる。上昇を続けていると、石狩川と空知川が合流している。石狩川が蛇行した様子や、三日月湖となっている状態がよく見える。気がつけば、すでに、小型プロペラ機はどこかに去って、空には、グライダーだけである。
グライダーは、乗ってみると、翼は、予想以上に長く、幅広い。はじめのうちだけ上下に揺れるが、500メートル位まで上昇すると安定し、風を切る音しか聞こえない。
眼下に、石狩平野が広がる。今日は、札幌までは見えない。美唄と滝川間の20キロの直線道路も全体がよく見える。確かにまっすぐだ。
十勝岳の方も良く見えるということだが、今日はそうでもない。
グライダーは旋回し、滝川市の上空に入る。滝川市は、やはり大きな町である。各建物やJR滝川駅もよく見える。一番大きな建物は市役所である。市も郊外型へ変わっていて、大型店舗が市街地の周辺に見える。
グライダーは、まもなく着陸体制に入る。大きく旋回して、高度を下げる。どんどん地面が迫ってくる。滑走路が見えてくる。草原に着陸し、そのまま滑走しながらスピードを落としていく。
これで、私の夏休みも、終わったようだ。
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