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事務所コラム

2012.08.30

吉川 正也

 札幌にある北海道近代美術館では、現在、東山魁夷(かいい)の展覧会が開かれています。

 北海道新聞に何日か連載され、名作が紹介されていましたので、先日、美術館を訪れました。

 絵画の趣味を持つ方であれば、当然知っておられる画家だと思いますが、作品は1つ1つ丁寧に創られているうえ、実に多くの作品が創作されていました。

 その多くの作品の中に、「道」という有名な作品がありました。

 

 私は、初めてこの作品を見ました。キャンバスには、坂道が画かれています。緑色の草と、茶色の道です。しかも、完成品に至るまで、いくつもの試作が作られていました。

もともとは、牧場や灯台等も画かれていたものから、これらを削り、道だけを画くということになったそうです。道と草原と山だけの絵です。道は、急ではないにしても、坂道であり、この道を人々が登って行くことが想像されました。

 

 平坦ではない坂道、しかし、決して、登れないほどの坂ではありません。その坂道は、ずっと遠くまで続いていて、道にはもっと先があるように見えます。

この坂道は、どこまでも続く。しかし、あの頂きまで行けば、また一つ世界が広がり、自分も変わっていくと確実に思えます。

そんな坂道を一歩一歩前へ進んでいく姿が浮かんできます。

我々も、平坦ではないが、それぞれ、自分の道をしっかり歩んで行けという意味が込められていると思いました。

 

 

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